小説RagnarokOnline外伝~旅立ち~
黄昏がプロンテラの城壁を紅く染める。
城門へと続く通りを一つの影法師が歩いていく。影法師の主は騎士だった。
騎士の装備を見れば、只者ではないことは一目瞭然だった。その身に纏った鎧は、
頑強さの中にも動きやすさを確保していた稀代の一品。
その背に背負う大剣は、鞘から抜かれずとも気品と威圧感を誇っていた。
風にたなびく緋色の外套は、強者揃いのプロンテラ騎士団の中でも実力と経験を
兼ね備えた選ばれし者、ロードナイトの証。
しかし、その騎士の胸にあるべき騎士章は見当たらなかった。


「待ってください!」

遠くからの声に俺はその歩みを止める。彼方から走り来る一団の先頭、若き狩人が
手を振りながら大声で呼びかけてくる。やがて一団は俺に追いついた。
聖職者、魔導師、狩人…様々な職業で構成された一団はよほど急いで走ってきた
のであろう、皆一様に肩で息をしていた。

「この国を去ると聞きましたが、本当ですか!?」

狩人が息を切らしながら詰め寄る。
俺は少し困った顔をして俯く。
否定して欲しい。皆が期待と不安の混じった眼差しで俺に注目する。
暫くして俺は真っ直ぐと瞳を見つめ返し、言った。

「ああ、本当だ。さっき、騎士団にも辞職届を出してきたところだ。」

聞きたくなかった言葉を耳にして、皆が悲しみに顔を曇らせる。
思わず詰め寄ろうとする狩人を手で制し、魔導師は落ち着いた声で語りかけた。

「残念なことですが、貴方自身の決断ならば我々が干渉すべきではないでしょう。
それで、いつこの国を発たれるのですか?」

「…今日、これからだ。」

視線を外して俺は呟くように答える。
それが非難を受ける発言であることは俺自身十分に理解していたからだ。
案の定、聖職者が俺の袖口を掴んで涙声で訴える。

「そんな!見送りの時間もくださらないのですか?」

女性の涙は苦手だ。

「すまないが、そういうのは俺の柄じゃないから…」

頭を掻きながら詫びるように、逃げるように言い訳をする。
引き止められたらきっと後ろ髪ひかれてしまうから。
だから、見送りを受けたくなかったのかもしれない。

「せめて理由を聞かせてください。前から不満を口にしてた役人達の不正に
嫌気が差したからですか?」

狩人が縋るように理由を問いただす。
理由なんて…正直、自分でもハッキリと分からない。
この国では随分と昔から政府役人の不正行為が問題となっていた。
密輸や御禁制アイテムを取り扱う闇業者との癒着や、一部の有力冒険者に対する
過剰なまでの優遇。一方で多くの冒険者に対する扱いは酷くなり、遺跡探索の
許可願いは滞るし、詐欺紛いの行為をしている冒険者に対する取り締まりも
ほとんどされていない。そんな状況にウンザリしていたのは、本当のことだ。

「さて、ね…」

曖昧な返事を返したのは、自分でも良く分からないから。
このままこの国で冒険者を続けていくことに対して疑問を覚えたのは何故だろう。
ただその疑問に我慢できず、気が付いたときには騎士団を辞めて故郷に帰る
決意だけを固めてしまったのだ。
その疑問が、先に述べた冒険者環境の悪化に拠るものかどうか、自分でも
分からずに居た。

「もう港に行かないと間に合わない。名残惜しいが、俺はもう行くよ。」

嘘だ。時間はまだ少しある。
逃げる口実についた嘘を、見破られたかもしれない。
でも魔導師は寂しげに微笑むと、別れの握手を差し伸べて言った。

「もう貴方と冒険を共に出来ないのは寂しくはありますが、どうかお元気で。」

「ありがとう。皆も元気で…」

その手を握り返す。
泣く者、別れの言葉を掛ける者、惜別の方法はそれぞれに。
俺はそれらに背を向けて、振り向くことなく再び旅路へとついた。


ほどなくして、俺は港町へ辿り着いた。
衛星都市イズルード。
首都プロンテラの衛星都市であり、貿易港として首都を支える要衝だ。
ここにはプロンテラ騎士団の下部組織ともいえる剣士養成所がある。
故郷から身一つでこの国に着た俺は、ここの剣士養成所に身を置いていた。
そういった意味では、とても懐かしく思い入れのある街だ。

街を夕日が照らし出す。古い街並みは夕暮れに包まれ静寂の刻を待っている。
港へと向かう道の途中で懐かしい店を見つけた。それは武器屋だった。
まだ乗船の時間までには少々間がある。
俺は吸い込まれるように店の中へと入っていった。

薄暗い店の中には、俺以外の客は居なかった。それどころか店員も居ない。
昔から繁盛していたとは言い難かったが、もう少し客足があったように思われる。
俺の目は、そこに陳列されていた商品を見つけた。
それは、一本のカタナだった。
何の変哲も無い、何処の刀鍛冶が打ったとも知れぬ、量産品の一振りだった。
そのカタナを見つめながら、俺は数年前を思い出していた。


***************************


「なあ、欲しいアイテムがあるなら俺が値引き交渉をしてやろうか?」

いきなりの呼び掛けに、僕は驚いた。
振り返ると、人懐っこそうな男が微笑んでいる。

「え!?あ…あの…」

僕は驚いて巧く返答できずに居た。
故郷を一人飛び出し憧れのミッドガルドに来たのは良かったが、頼る友もなく、
人と話しをする機会もほとんど無かったのだ。
それが、いきなり見知らぬ人に声を掛けられたのだから驚くのも無理はない。

「ああ、俺はここの出入りの鍛冶屋でね。店のオヤジにも顔が利くからさ。
良ければ買い物の手伝いをしてやろうか?って言ってるんだ。」

「はぁ…」

どう返答してよいものか。
もしかしたら、これは詐欺で田舎者の僕から金を巻き上げようとしているのかも。
でも、もし本当に値引きしてもらえるなら…かすかな期待を込めて、そこに陳列
されていた商品をチラリと見る。

「欲しいのはそこのカタナかい?」

鍛冶屋は値踏みをするようにカタナを見る。

「定価2000zenyか…。
そうさなあ、1600よりちょっと安い程度までは下げられるかな。
値引き交渉の手間賃込みで1700でどうよ?」

僕は財布の中身を確かめた。
モンスターとの戦いで得た戦利品を売って、少しずつ貯めてきた全財産だ。
くしゃくしゃになった1000zeny札が一枚と小銭を合わせて1600zenyしかない。
鍛冶屋は僕の財布を覗き込んできた。

「うーん、1700は無いみたいだなあ…」

「う…」

落胆する僕を見て、鍛冶屋は口元を緩めた。
そして再び人懐っこい笑みを浮かべると、豪快に僕の肩を叩く。

「いいぜ!今回は手数料なしで値引き交渉を引き受けてやらあ。」

「本当ですか!?」

「おう、任せとけって!」

そう言い放つと、鍛冶屋は店の奥に向けて大声を出す。
暫くして、不機嫌そうな顔で武器屋のオヤジが出てきた。
鍛冶屋は武器屋のオヤジに向かってあれやこれやと説得を続けている。
最初はそっぽを向いて撥ね付けていた武器屋のオヤジが、やがて困ったような
顔になり、最後は諦めたかのように項垂れた。
そして、鍛冶屋は僕の方を見て会心の笑みを浮かべる。
どうやら、値引きに成功したようだ。

「こっちの小僧かい?カタナを欲しがってると言うのは。」

武器屋のオヤジは僕の方に歩いてくると、顔をしかめて言う。

「小僧、ちっとは剣を振れるのか?」

まだ頼りない体つきのみすぼらしい少年だ。
それがカタナを欲しているのだから、武器屋としては不安にも思うのだろう。
でも、僕も負けじと言い返す。

「昨日、剣士試験にも合格しました。剣も振れます!」

「ふーん…」

武器屋のオヤジは半信半疑ながらも、僕からお金を受け取った。
代わりに引き渡されたカタナは見かけ以上に重く、試しに構えてみた僕は
思わずよろめいてしまった。

「この辺は小さい敵しか居ないし扱いやすいファルシオンの方が良いんじゃないか?
そんな長物、オマエさんにはまだ早いと思うがネエ…」

呆れたように、とりなすように、武器屋のオヤジはそう言った。
それは武器屋のオヤジからの正しい忠告だったのかもしれない。
でも、僕はどうしてもそのカタナが欲しかったから。

「こ、これでいいんです!」

そう強がった。
カタナの切っ先は眩しく煌いて、僕の心はそれだけで奮い立った。
腕にズシリと伝わるその重さもまた、僕にとっては心地良いものだった。

「このカタナで僕はみんなに頼られるような立派な騎士になるんだ。」

その重さはその決意の重さなのだから。
僕のその呟きを耳にして、武器屋のオヤジは呆れたように笑った。

「ま、せいぜい頑張りな。」


************************


「この店にはロードナイト様にお売りするような高価な武器はありませんぜ。」

後ろから声を掛けられ、振り向く。
そこには少し白髪は増えたが、あの日の武器屋のオヤジが立っていた。
俺は少し俯き、そして言った。

「このカタナを売ってください。」

オヤジは驚いたような顔をしたが、静かにこう言った。

「…そのカタナは、ただの量産品のナマクラだ。
ロードナイト様が装備するような立派な業物ではないが、良いんですかい?」

「ええ、これが欲しいんです。」

「2000zenyだ。」

俺は対価を支払うと、そのカタナを受け取った。
刀を鞘から抜き払う。今の俺にとってそのカタナは軽い。
切っ先の輝きを見ても量産品のそれでしかなく、心躍らせるものではなかった。
僅かに期待を裏切られたような思いで、俺はカタナを鞘に収めた。
武器屋から出ようとした俺に、武器屋のオヤジが声を掛けた。

「小僧、ちっとは剣を振れるようになったのか?」

俺は驚き振りかえる。
そのオヤジの言葉を聞いた時、全てが分かったような気がして。
そして俺は僅かに笑みを浮かべながら応えた。

「…ええ、多少は。」

「それじゃあ夢も叶ったんだな。良かったじゃないか…」

そのカタナは、あの日となんら変わらない。
店の主も、古びたこの街並みも。
ただ、俺が変わったのだ。
幾度の冒険の果てに望んだ物を手に入れて。

あの頃から、色々なものが変わったけれど。
根本的なことは何一つ変わっていない。役人の不正だってあの頃から酷かった。
でもそれさえ気にならないほどに、あの頃の俺は夢に向かって直走っていたんだ。
夢が叶って周りを気にするようになってからだ。不満を口にするようになったのは。

多分、俺がこの国を去ろうと思ったのは、夢を叶え終わったからだと思う。
このまま夢を叶えた場所に留まるのではなく、新たな目標を見つけて走り出す為に。
そう思った時、この古びた街並みも、人々の喧騒も、仲間達からの惜別の言葉も、
全てが大切な思い出になったような気がした。


黄昏がイズルード港の水面を紅く染める。
船へと続く桟橋を、一つの影法師が歩いていく。影法師の主は冒険者だった。
冒険者は一振りの安物のカタナを手にしていた。
風に吹かれるその横顔には新たな希望が満ちていた。
変わりゆくものもあれば、変わらずそこに在り続けるものもある。
冒険者は変わる事なき大切な思い出を胸に、新たな旅路に胸を躍らせていた。


                                      ~Fin~




セックス動画
smセックス動画
アダルト動画セックス
エッチセックス動画
オナニーセックス動画
サンプルセックス動画
シャブセックス動画
セックスav動画
セックスレイプ動画
セックス動画youtube
セックス動画エロ
セックス動画レズ
セックス動画日本
セックス動画日本人
セックス動画熟女
セックス動画盗撮
セックス動画黒人
セックス外人動画
セックス夫婦動画
セックス巨乳動画
セックス海外動画
セックス素人動画
セックス動画ダウンロード
セックス動画無修正
セックス動画画像
セックス裏動画
小学生セックス動画
投稿動画セックス
映画セックス動画
老人セックス動画
野外セックス動画


アダルトビデオ
avアダルトビデオ
アダルトエロビデオ
アダルトサイトビデオ
アダルトサンプルビデオ
dvdアダルトビデオ
アダルトビデオsm
アダルトビデオインディーズ
アダルトビデオショップ
アダルトビデオダウンロード
アダルトビデオメーカー
アダルトビデオランキング
アダルトビデオリンク
アダルトビデオレビュー
アダルトビデオレンタル
アダルトビデオ一覧
アダルトビデオ中古
アダルトビデオ人妻
ビデオ制作アダルト
アダルトビデオ動画
アダルトビデオ画像
アダルトビデオ裏
アダルトビデオ販売
中古アダルトビデオ販売店
アダルトビデオ買取
中古アダルトビデオ通販
アダルトビデオ配信
アダルトビデオ人気
アダルトビデオ新作
熟女アダルトビデオ


ゲイ動画
エロゲイ動画
オナニー動画ゲイ
イケメンゲイ動画
ガチムチゲイ動画
ゲイサイト動画
ゲイサンプル動画
ゲイセックス動画
ゲイホモ動画
ゲイ動画sex
ゲイ動画sm
ゲイ動画ビデオ
ゲイ動画マッチョ
ゲイ動画中
ゲイ動画外人
ゲイ動画掲示板
ゲイ動画無修正
ゲイ外国人動画
ゲイ投稿動画
ゲイ海外動画
ゲイ画像動画
ゲイ親父動画
ゲイ動画ショタ
デブゲイ動画
中年ゲイ動画
人ゲイ動画
ゲイ動画無修正
ゲイ動画配信
中年ゲイ動画
日本人ゲイ動画
ゲイ動画美少年

[PR]
by zeflk | 2003-04-01 04:12 | 小説RO外伝
<< 1/31はExblogメンテの日 剣師の書 >>